スリランカ産の紅茶はセイロンティーという総称で呼ばれていて、さまざまな品種があります。
地域によってそれぞれ違った特徴を持っているセイロンティーですが、その中に近年一つの銘柄として確立されたサバラガムワという紅茶があります。
紅茶の銘柄としてはまだ歴史が浅く、日本ではあまり知名度はありませんがいったいどんな紅茶なんでしょうか?
この記事ではサバラガムワの特徴やおすすめの飲み方、そして同じ産地であるルフナとの違いを解説します。
サバラガムワとはどんな紅茶?
サバラガムワとはスリランカ南部のサバラガムワ州で栽培されている紅茶です。セイロンティーの中でも比較的新しい方の品種になります。
サバラガムワは元々セイロンティーの一つである「ルフナ」の一部でしたが、近年ルフナとは風味が違うのでは?という理由で分けられました。
そのためルフナと近い特徴がありつつも、また違った味わいを持っています。
栽培されている地域はサバラガムワ州の南北で分けられていて北がサバラガムワ、南がルフナになっています。でも産地の境界ははっきり決まっていないようです
また日本での知名度はまだ無いですが、中東のほうでサバラガムワの人気が高まっているようで、中東ではメジャーな飲み方のチャイにして飲まれています。
サバラガムワの特徴は?
【サバラガムワの特徴】
- 茶葉:黒褐色
- 香り:穀物のような香ばしさと甘みがある
- 味:濃厚でほろ苦く黒糖のような甘さがある、渋味は少ない
- ※水色:深い真紅の色
- 収穫シーズン:1年を通して安定した品質の茶葉が収穫できる
※水色:紅茶の抽出液の色
サバラガムワには穀物のような香ばしく甘みのある香りがあります。パンの香りをイメージしたら分かりやすいかもしれません。
味わいははっきりとしていて濃厚でコクが深いですが、渋味は少ないです。甘みもあるのでまろやかで意外と飲みやすい味わいがあります。
さらに特有のほろ苦さも合わさって味に奥行きを出しているので、全体的に飲みごたえのある紅茶になっています。
こうやって特徴を見ていくと中々に個性のある紅茶なんですね~
サバラガムワのクオリティーシーズンは2~4月
多くの紅茶には、その品種の特徴が最も茶葉に出るクオリティーシーズンと呼ばれる時期があります。
サバラガムワは2~4月その時期にあたり、一番品質が高いとされています。
とはいっても、サバラガムワは標高が低く穏やかな気候の土地で栽培されているので、1年を通して品質が安定しているんです。
つまり、いつ時期でも良質な紅茶が飲めるということですね
サバラガムワとルフナとの違いは?
サバラガムワはルフナから分かれてできた品種です。元々同じ紅茶だったので似ている部分も多くありますが、風味などに違う特徴を持っています。
いったいどんな違いがあるのか?気になる方のために両者の違いを解説します。
サバラガムワとルフナの違い①風味
そもそも、ルフナから分けられたのは「風味が違う」という理由からでした。
この2つの風味には共通する部分も多くありますが、比べていくと違いが主に3つあります。
その1:渋味が少ない
ルフナはほかの紅茶と比べても渋味の少ない紅茶です(渋味成分のタンニンが少ないため)
ですがサバラガムワはさらに渋味が少ないので、ルフナの渋味が気になる方はサバラガムワを試すのもアリですよ。
その2:ほろ苦さがある
サバラガムワの風味にはほろ苦さがあります。これもルフナにはない特徴です。
このほろ苦さが味に奥行きを出していて、特有の味わいを生んでいます。
その3:スモーキーな香りが弱い
ルフナの香りには燻製のようなスモーキーな香りがあります。元々同じ品種だったこともありますが、ルフナよりスモーキーの香りが弱いです。
この香りはルフナの魅力でもありますが、クセに感じることもあるので苦手だな~と思った方はサバラガムワのほうが比較的飲みやすいでしょう。
サバラガムワとルフナの違い②標高
セイロンティーは茶葉が栽培されている地域の標高によってさらに3つに区分されています
【セイロンティーの区分】
- ハイグロウンティー:1200m以上
- ミディアムグロウンティー:600~1200m
- ローグロウンティー:600m以下
ルフナは標高約200m~400mの低地産。つまりサバラガムワもローグロウンティーの分類になります。
ですが、サバラガムワはルフナよりも若干標高の高い約300m~400mの場所で栽培されているんです。
紅茶は標高によって味が変わり高いと渋味やコクと香りが強く、低いと香りと渋味が弱くなり濃厚なコクと甘みを持ちます。
若干とはいえ標高が違うことで味に違いも出るんでしょうね。
ルフナについて詳しくはこちら↓
サバラガムワのおすすめの飲み方は?
サバラガムワは濃厚さと深いコクに特有のほろ苦さもあります。ルフナよりもスモーキーな香りが弱いので、ストレートティーでも飲みやすさがあります。
ですが、そのサバラガムワの味を堪能するためにおすすめする飲み方はミルクティーです。
おすすめの飲み方:ミルクティー
サバラガムワは濃厚でコクのある味わいが特徴の紅茶です。味の濃い紅茶はミルクに紅茶の風味が負けないので紅茶の風味を感じることができます。
またサバラガムワのほろ苦さはミルクと合わさるとコクに変わって、さらに味に深みが出ます。
ちょっと自分には苦いな~と思ったらミルクティーにすると飲みやすくなりますよ
- 紅茶の抽出時間を長くして濃いめに入れましょう。薄く入れてしまうとミルクに風味が負けてしまいます。
- 紅茶とミルクの割合はお好みですが、目安がわからない方は約1:1から自分の好みを探してみましょう。
ミルクティーの入れ方について詳しくはこちら↓
まとめ
- サバラガムワはスリランカ産の紅茶で、近年ルフナから分かれた品種
- 香りは穀物のような香ばしく甘みがある
- 味は濃厚で黒糖のような甘さとほろ苦さがあり渋味は控えめ
- 収穫シーズンは通年、クオリティーシーズンは2~4月
- ルフナとは風味と産地と標高に違いがある
- おすすめの飲み方はミルクティー
サバラガムワはルフナから分かれてできた紅茶です。日本での知名度はあまりありませんが、国内での人気も徐々に高まっているようです。
濃くほろ苦さのある味に、穀物のような香りがするサバラガムワ。奥行きがあって飲みごたえがありつつ、渋味も少なくまろやかで意外と飲みやすいです。
元々ルフナだったので近い風味もありますがまた違った魅力があるので、どんな紅茶か気になる方はぜひ試してください。
ルフナと一緒に飲んで飲み比べするのも悪くないかもしれませんね!
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