世界で一番飲まれているお茶の紅茶。世界には多くの種類の紅茶がありますね。その数ある紅茶の中で、世界三大紅茶と呼ばれている紅茶があることをご存じでしょうか?
世界三大珍味や世界三大美女など、世界にはさまざまな分野で三大に数えられているものがあるように、紅茶にも世界三大に数えられている紅茶があります。
ただこの世界三大紅茶という呼び方、日本以外の国では現在ほとんど使われていないんです。
世界三大紅茶とは?一体どんな紅茶が三大と呼ばれているのか?そして日本以外では使われていないのはなぜなのか?
この記事では世界三大紅茶とそれに数えられている紅茶3つをご紹介し、海外で使われていないことについても解説します。
世界三大紅茶とは何?
世界三大紅茶とは味や香り、※水色が特に優れているとされている紅茶の産地3つの呼称です。世界三大銘茶とも呼ばれています。
※水色:紅茶の抽出液の色
紅茶の品評会などで評価されたものが世界三大紅茶と呼ばれているんですよ
つまり世界三大紅茶はどれも品質に太鼓判を押された紅茶ということです。
世界三大紅茶にはどんな紅茶があるの?
世界三大紅茶に数えられている紅茶は
- ダージリン
- キーマン
- ウバ
この3つが世界三大紅茶に数えられています。
日本でも人気なものやイギリス王室御用達の紅茶もあります。
ダージリン
まずは一つ目、日本でも知名度がある人気の紅茶「ダージリン」です
インド北東部のダージリン地方で生産されている紅茶で、切れ味のある渋味と深いコクがあります。緑茶やウーロン茶に近い風味を持っているので、日本人にも親しみやすい味わいの紅茶です。
またダージリン特有の「マスカットフレーバー」と呼ばれる香りから「紅茶のシャンパン」とも呼ばれています。
ダージリンの特徴
ダージリンの収穫シーズンは年3回あり、収穫する季節ごとに茶葉の風味が変わります。
春摘みのファーストフラッシュ
- 収穫時期:3~4月
- 茶葉:やわらかい新芽、青々とした緑色
- 水色:明るい黄金色
収穫量の少ない初摘みの茶葉。爽やかさとほどよい渋味、緑茶に似た青々しさのある風味があります。
夏摘みセカンドフラッシュ
- 収穫時期:5~6月
- 茶葉:しっかりした茶葉、茶褐色
- 水色:明るく濃いオレンジ色
一番人気の高いシーズン。初摘みの茶葉より味や香りが濃くなり、マスカットフレーバーが特に強く感じられます。
秋摘みのオータムナル
- 収穫時期:10~11月
- 茶葉:厚みのある茶葉、色は濃い茶色
- 水色:赤みがかった深いオレンジ
渋味が強く味も濃厚で深い甘みとコクがあります。強い渋味も甘みがまろやかにしてくれるので意外と飲みやすく、紅茶初心者にもおすすめです。
キーマン
2つ目は中国産の紅茶「キーマン」です
中国の安徽省祁門県で栽培されている中国紅茶の中心的存在の紅茶です。
収穫時期は夏の間だけなので収穫量が少なく希少性がありますが、8月に生産された茶葉は最高級品とされていて、かなりの高額がつくこともあります。
また収穫量が少ないうえに中国国内の消費量もかなり少ないですが、逆にヨーロッパでの人気が高く、特にイギリスでは女王陛下の誕生日にキーマンを飲むという伝統があるほどです。
キーマンの特徴
- 茶葉:黒褐色
- 味:まろやかな甘みにコク、渋味は少ない
- 香り:スモーキーな香り、高品質は蘭のような香り
- 水色:澄んだ明るいオレンジ色
まろやか甘さにしっかりとコクのある味わいで、渋味も少なく飲みやすさがあります。
香りには燻製ようなスモーキーさがあり、高品質な茶葉になると蘭のような花やかな香りが感じられ、その香り高さは「中国茶のブルゴーニュワイン」と呼ばれるほどです。
ウバ
3つ目、最後はスリランカ産の「ウバ」です
ウバはスリランカ南東部のウバ地方で栽培されているセイロンティーです。スリランカ産の紅茶はセイロンティーと呼ばれています。
ほか2つの産地と違い収穫は1年中されていて、中でも夏の時期に収穫された茶葉は高品質でウバの特徴が一番出ていることから、特に人気です。
ウバの特徴
- 茶葉:赤褐色
- 味:爽やかでキレのある渋味深いコク
- 香り:ミントのようなすっきりとした香り
- 水色:赤みの強いオレンジ
濃厚な味と爽やかな渋味に、さっぱりとした青りんごのようなフルーティーな香りをもった紅茶です。また、ほかの紅茶ではあまり見られないすっきりとしたメントール系の香りももっています。
このメントールの香りは、ウバ特有の香りであることから「ウバフレーバー」と呼ばれているんですよ。
世界三大紅茶は海外では使われない?
世界三大と呼ばれているので、世界中で浸透している呼称のように思いますが実はこの呼び方、日本以外では現在ほとんど使われていません。
日本では主に商品のキャッチコピーとして使われているんですよ
なぜ使われなくなったのか、実ははっきりとした理由はわかっていません。
ですが、ダージリンやキーマン、ウバ以外にも味や香りなど品質に優れた紅茶が生産されるようになったことが理由にあるようです。
この3つの紅茶の品質や人気が落ちたというわけではなく、ほかにも良い紅茶が増えたことで世界三大紅茶という呼び名が使われなくなったのでしょう。
その結果、世界三大紅茶に括る意味が薄れてこの呼び名も自然と廃れていったかもしれませんね。
たくさんのおいしい紅茶がある中で3つに絞るのたしかに難しいですね
まとめ
- 世界三大紅茶とは味や香り、水色の優れた紅茶の産地3つの呼称
- 世界三大紅茶にはダージリン・キーマン・ウバが数えられている
- 世界三大紅茶の呼称は現在日本以外の国ではほぼ使われていない
世界三大紅茶は品評会などで、品質に高評価をもらった3つの紅茶がそう呼ばれています。実際選ばれている紅茶は、どれも品質が良く個性的でそれぞれの魅力を持った紅茶です。
ですが、今では日本でキャッチコピーとして使われている以外ほとんど使われていないことに、少々さみしさも感じてしまいます。
とはいえ世界三大紅茶と呼ばれていたことに変わりはないので、高品質な紅茶であることに変わりはありませんし、それだけほかに良い紅茶が増えたということでもあるのでしょう。
それぞれ違う特徴を持った世界三大紅茶、気になる方はぜひ試してみてください。飲み比べをしてみてもいいかもしれませんよ。
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