中国のお茶と聞いて皆さんはどんなお茶を思い浮かべますか?やっぱりウーロン茶やジャスミン茶などでしょうか?
そんなアジアンなお茶のイメージが強い中国ですが、実は中国にも紅茶があるんです!
中国紅茶にはいくつかの種類がありますが、その中でも「キーマン」という紅茶は世界三大紅茶にも数えられていて、さらにイギリスでも人気がある紅茶なんです!
キーマンとはどんな紅茶なのか、この記事ではキーマンの特徴やおすすめの飲み方をご紹介します。
キーマンとはどんな紅茶?
キーマンとは中国の安徽省祁門県で栽培されている紅茶で、中国紅茶の中心的存在になります。
キームンやキーモンと呼ぶこともありますが、この記事ではキーマンで統一していきます
生産の時期が6月~9月と短いので収穫量が少なく希少性があります。特に8月に生産された茶葉は最高級品とされていて、かなりの高額がつくこともあるほどです。
キーマンの特徴とは?
【キーマンの特徴】
- 茶葉:黒褐色
- 味:まろやかな甘みにコク、渋味は少ない
- 香り:スモーキーな香り、高品質は蘭のような香り
- ※水色:澄んだ明るいオレンジ色
※水色:紅茶の抽出液の色
キーマンは渋味が少なく甘みがまろやかでしっかりとコクもあります。比較的飲みやすい味わいなので渋味の苦手な方におすすめです。
そして香りは品質によって変わり、一般に出回っているものはスモーキーな香りが、品質の高いものは蘭のような花やかな香りが感じられ香りも長く残ります。その香り高さは「中国茶のブルゴーニュワイン」と呼ばれるほど。
そしてこの香りが「まさに東洋的な香りがする」とヨーロッパで人気があるんです。
とはいえキーマンは飲みやすい味わいな反面、香りにちょっと特徴があるので好みが分かれるもしれませんね
キーマンは世界三大紅茶の一つ
皆さん世界三大紅茶というのをご存じでしょうか?世界三大美女や世界三大珍味のように、紅茶にも世界三大に数えられている紅茶があるんです。
世界三大紅茶とは、品質や味、香りが特に優れているとされている3つの紅茶の産地を指したものです。キーマンのほかにダージリン・ウバがこれに当てはまります。
世界三大紅茶について詳しくはこちら↓
【キーマンはヨーロッパで人気?】
キーマンをはじめとした中国紅茶のほとんどは輸出用で生産されていて、中国国内の消費量はかなり少ないです。
ですが逆にヨーロッパでの人気が高く、特にイギリスでは女王陛下の誕生日にキーマンを飲むという伝統があるそうですよ。
キーマンの等級とは?
キーマンには「等級」というものがあります。これは一般的に紅茶で使われている等級とは別のもので少々ややこしいです。
一般的な紅茶の等級は、茶葉の大きさや細かさを等級で分けたものですが、キーマンは茶葉の品質で等級を分けています。
キーマンの等級
- 特貢
- 貢茶
- 礼茶
- 特茗
- 特級
- 一級
- 二級
- 三級
特茗以下は日本でも見かけますが、礼茶以上は日本ではあまり流通していません。特に特貢・貢茶は国賓や政府高官に贈られることが多いので、日本でお目にかかることはほぼないでしょう。
この等級が上がれば上がるほど、香りや味が濃くなりより高級な茶葉になります。
OPなど英語で表記されているものが一般的な等級、漢字表記がキーマンの等級と覚えたら分かりやすいですよ
紅茶の等級について詳しくはこちら↓
キーマンのおすすめの飲み方は?
キーマンは香り高くまろやかな味わいが特徴の紅茶です。そんなキーマンの風味を楽しむにはどんな飲み方が良いのか?おすすめの飲み方をご紹介します。
おすすめの飲み方その①ストレートティー
キーマンの特徴の一つはその香り高さです。スモーキーな香りのものも、蘭のような香りのものも、まずはストレートティーでその香りをシンプルに楽しんでみてください。
その特徴的な香りで好みがわかれることもありますが、渋味の少ない紅茶なので渋味が苦手な方でもストレートティーですっきりと飲めるかもしれません。
「この香り好きだな~」と感じた方にはとても飲みやすい紅茶ではと思いますね
【キーマンは硬水でもOK!】
紅茶は一般的に軟水で入れたほうがおいしいとされています。
それはなぜかと言うと、軟水だと味や香りが濃く出て適度に渋味も出るのに対して、硬水は渋味は薄くなりますが味や香りも薄くなるので紅茶のうま味を感じにくくなるからです。
ですがキーマンは硬水で淹れても味や香りが損なわれにくいので、しっかりと味わうことができます。
日本の水道水はほとんどが軟水で、逆にフランスの水はほとんど硬水だそうです。そこもブルゴーニュワインと呼ばれる所以かもしれませんね
※ブルゴーニュワインはフランスのワインです
ストレートティーの入れ方について詳しくはこちら↓
おすすめの飲み方その②ミルクティー
渋味が少ないキーマンですがしっかりとコクもあるので、ミルクティーにもおすすめです。
キーマンの香りが苦手だな~と思った方もミルクティーにすると飲みやすいかもしれませんよ
ただミルクティーにするときは濃いめに抽出するのがポイント。
ストレートティーで飲むときの濃さですと、ミルクに紅茶の風味が負けてしまいます。なのでミルクティーを飲むときは大体2倍の抽出時間を目安に入れてみてください。
紅茶とミルクの割合がわからないという方は、まず1:1の割合を目安に自分好みの割合を探してみましょう。
ミルクティーの入れ方について詳しくはこちら↓
キーマンベースのアールグレイもおすすめ
皆さんはキーマンをベースにしたアールグレイがあるのをご存じでしょうか?
よく誤解されがちですが、アールグレイは品種の名前ではなくベルガモットの香りを茶葉につけたフレーバーティーのことなんです。
茶葉にリンゴの香りをつけたアップルティーなどと同じ種類の紅茶ということです
アールグレイは元々、中国紅茶にベルガモットの香りをつけたものが始まりとされているからか、キーマンが一番ベースに使われています。
ベルガモットの爽やかな香りが足されたキーマンアールグレイは、渋味が少なく飲みやすい味わいです。「元祖アールグレイを味わう」という意味でもぜひ一度試してみてください。
アールグレイについて詳しくはこちら↓
まとめ
- キーマンは中国安徽省で栽培されている紅茶で生産量が少なく希少性がある
- キーマンは世界三大紅茶の一つに数えられている
- 中国国内の消費は少ないがヨーロッパ人気が高い
- 味は渋味が少なくまろやかな甘みとしっかりしたコクがある
- 香りは一般に出回っているものはスモーキーな香りが、品質の高いものは蘭のような香りがある
- キーマンには独自の等級があり等級が高い香りと味が濃く日本ではあまり見られない
- おすすめの飲み方はストレートティーとミルクティー
- キーマンベースのアールグレイもおすすめ
キーマンは中国紅茶を代表する紅茶で、その東洋的な香りや独自の等級などキーマンならではの特徴がいろいろありますね。
渋味が少ない紅茶なので、渋味が苦手な方には飲みやすいのではと思います。香りも品質によってスモーキーな香りや蘭のような香りなど、どちらもキーマンの魅力なので機会があれば両方の香りを試してみてほしいですね。
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