インド産の紅茶にはダージリンやアッサムなど日本でも有名な紅茶がありますが、シッキムという紅茶をご存じでしょうか?
このシッキム知名度は低く、手に入りにくい希少な紅茶であることから「幻の紅茶」と呼ばれています。
なぜシッキムは希少なのか?なぜ幻の紅茶と呼ばれているのか?
この記事ではシッキムがどんな紅茶なのか、おすすめの飲み方もご紹介します!
シッキムとはどんな紅茶?
シッキムとはインドの北東部、ネパールとブータンに挟まれたシッキム州で生産されている紅茶です。シッキム州にあるテミ茶園でのみ栽培されています。
テミ茶園はインドで唯一政府が運営している茶園で、州をあげて農薬を使わないオーガニック農法にもこだわっているんです。
ただ、1つの茶園でしか栽培されていないので年間生産量は約100トンとごくわずか。そのためシッキムは幻の紅茶と呼ばれています。
日本でもかなり希少で手に入りにくいですが紅茶専門店などでは取り扱っているところもありますよ!
シッキムの紅茶栽培の始まり
シッキムで紅茶栽培が始まったのは1969年。その時代、シッキム州はまだシッキム王国という国でした。
当時のシッキム国王が働く場所を提供するために、土地を開拓し テミ茶園を作って紅茶栽培を始めたのがシッキム紅茶の始まりなんです。
そしてこの6年後、インドの州に編入された1975年から紅茶の生産がさらに本格的に始まりましたが、栽培地がダージリンに接していることから、以前はダージリンとして出荷されていました。
ですが、ここ十数年で品質の高い茶葉が生産されるようになったことで、シッキムの紅茶に注目されるようになり高級紅茶の産地になったんです。
品質の高いシッキム紅茶は世界的にも高く評価されているんですよ!
シッキムの特徴は?ダージリンとの違いは?
【シッキムの特徴】
- 茶葉:発酵が弱いので緑の茶葉が混じっている
- 味:繊細さ濃厚なコク、後味は爽やかで渋味は少ない
- 香り:甘みがあるフラワリーな香り
シッキムは繊細な味わいと濃厚なコクを持っていますが、渋味は少なめで後味も爽やか。甘くフラワリーな香りを感じられます。
フラワリーな香りに加え渋味も少ないので、比較的飲みやすい紅茶ですね
ダージリンとの違いは?
シッキム州はダージリンの北に隣接した地域で、産地の標高も1200m以上の高地産紅茶と、同じく高地産のダージリンと近い環境で栽培されています。そのためか、風味はダージリンに似ているんです。
キリッとした渋味と深いコクにフルーティーさで香ばしい香りを感じられ、緑茶やウーロン茶に近い風味もあります。
ただ、ダージリンよりも味わいは軽く渋味が少なめで甘く華やかな香りがします。
ダージリンの風味は好きだけど若干飲みづらいな~と感じたらシッキムが飲みやすく感じるかもしれませんね
ダージリンについて詳しくはこちら↓
シッキムの収穫時期とクオリティーシーズンは?
シッキムの収穫時期は3月~11月。冬は基本収穫しません。
冬に収穫しないのはインドの気候だと冬は茶葉の新芽が芽吹かなかったり、または栄養を蓄える期間でもあったりするからなんです
そして、高品質な茶葉が収穫できるクオリティーシーズンは年に3回。春と夏と秋に1回ずつ来ます。
春のファーストフラッシュ
- 収穫時期:3月~4月
- ※水色:澄んだ薄い黄色
※水色:紅茶の抽出液の色
春の初摘みのファーストフラッシュはシッキムの新茶です。
爽やかさを感じるフラワリーな香りに、口当たりもマイルドな味わいがあります。
夏のセカンドフラッシュ
- 収穫時期:5月~6月
- 水色:澄んだオレンジ色
夏摘みのセカンドフラッシュは、3つのクオリティーシーズンの中でも1番高品質とされているシーズンです。
風味のバランスが取れていて、味わいにコクがあります。特に品質の良いものは、ダージリン同様マスカットフレーバーがあるものも。
秋のオータムナル
- 収穫時期:10月~11月
- 水色:澄んだオレンジ色
秋摘みのオータムナル。シッキムの特徴の一つのフラワリーな香りがさらに感じられるシーズンです。
まろやかさと重厚でしっかりとした飲みごたえのある味わいが楽しめます。
シッキムのおすすめの飲み方は?
シッキムは甘いフラワリー香と少ない渋味を持った飲みやすい紅茶です。
そんな香りを楽しめ、飲みやすさのあるシッキムの飲み方はストレートティーとレモンティーをおすすめします。
おすすめの飲み方その①:ストレートティー
シッキムはそのフラワリーな香りを楽しむ飲み方がおすすめ!
なのでシンプルに香りを楽しめるストレートティーをおすすめします。渋味が少ないのでストレートティーでも飲みやすいのがポイント。
より香りを強く感じられるホットがおすすめですが、後味の爽やかさを生かしてアイスティーでもおいしくいただけるでしょう。
後味爽やかなので夏はさっぱりアイスティーもおいしいですよ
ストレートティーの入れ方について詳しくはこちら↓
おすすめの飲み方その②:レモンティー
レモンティーは飲みやすく渋味が少ない紅茶が向いていると言われています。
なのでレモンティー向きの特徴を持ったシッキムはレモンを加えて飲みのもおすすめです。
レモンティーにすれば、ビタミンCも取れて一石二鳥です!
レモンティーの入れ方(ホットティー)
- スライスしたレモンを用意する
- 紅茶をカップに注ぐ
- 飲む直前にレモンを浮かべ、軽くかき混ぜたらすぐに取り出す
【レモンを長く入れておくのはNG】
レモンを長く紅茶に入れておくと皮から苦み成分が出てしまうので、かき混ぜたらなるべく早めにとりだしましょう。
レモンティーの入れ方(アイスティー)
- スライスしたレモンを用意する
- グラスに氷を入れて紅茶を注ぐ
- レモン果汁を絞ってグラスにレモンを飾る
レモンを切って入れるだけなので簡単に紅茶のアレンジができるのもレモンティーのいいところですね
レモンの入れると紅茶の色が薄くなることがあります。これは紅茶のポリフェノールにレモンのクエン酸が反応しているからです。
まとめ
- インド北東部のシッキム州で生産されている紅茶
- インドで唯一政府が経営しているテミ茶園でのみ栽培されている「幻の紅茶」で農薬を使わないオーガニック農法にこだわって栽培している
- 昔はシッキム王国という国だったが1975年にインドに編入されてから本格的に生産が始まった
- ダージリンと隣接しているため風味は似ているがダージリンより軽い味わいに渋味が少なく甘く華やかな香りがする
- 収穫時期は3月~11月。クオリティーシーズンは春夏秋の年3回
- おすすめの飲み方は香りを楽しめるストレートティーとレモンティー。アイスティーもおすすめ
紅茶としての歴史はまだまだ短いものの、その希少性から幻の紅茶とされているシッキム。
ダージリンと風味が似ていますが、味わいの軽さや華やかな香りはダージリンには無い魅力があります。
中々手に入りにくいですが、全く手に入らないわけではありませんので機会があれば一度は試してみたい紅茶です!
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