インドは世界一位の紅茶生産国。日本でも有名なダージリンやアッサムもインドの紅茶です。
そんなインド産紅茶にはほかにも「ドアーズ」という紅茶がありますが、ドアーズ自体はほかの紅茶と比べると日本での知名度はあまりありません。
ですが、ドアーズはその特徴から気づかないうちに口にしていることもあるんです。
それはいったいなぜなのか?そして、ドアーズとはどんな紅茶なのか?
この記事ではドアーズの特徴やおすすめの飲み方をご紹介します。
ドアーズとはどんな紅茶?
ドアーズとはインド北東部の西ベンガル州にあるドアーズ地方で栽培されている紅茶です。低地にある丘陵地帯、アッサム地方とダージリン地方の間にあります。
ヒマラヤ山脈の裾野にドアーズ地方は広がってるんです
インドは紅茶生産量世界一ですが、輸出量はさほど多くはありません。なぜなら、そのほとんどが国内で消費されているからです。
ドアーズもほとんどが国内で消費されるので日本の市場ではあまり出回らず、ドアーズの認知度はあまり高くありません。
ですがブレンドやフレーバーティーに使われることが多く、実は知らないうちに飲んでるかもしれない紅茶なんですよ。
そう考えると意外と身近な紅茶なのかもしれませんね
ちなみにインド総生産量のうち1位がアッサムの27万トン、そしてドアーズは意外にも約8万5千トンで2位の生産量なんです。(ダージリンは約1万~1万2千トンです)
ドアーズの特徴は?
【ドアーズの特徴】
- 茶葉:黒色
- 味:控えめな苦みとコクがあり渋味は少なめ
- 香り:あっさり控えめ
- ※水色:濃いオレンジ色
※水色:紅茶の抽出液の色
ドアーズは水色の濃さとは裏腹に味と香りが控えめでクセが無く、あっさりしていて口当たりも良いので、飲みやすい味わいです。
またダージリンより香りが控えめでアッサムよりもコクがマイルドな、2つの中間のような風味も持っています。
これはドアーズ地方がダージリン地方とアッサム地方の間にあるから風味も中間のようになったんですかね?
控えめな風味が何にでも合わせやすく引き立てやすいので、ブレンドやフレーバーティーなどに使われているんでしょうね。
ドアーズの収穫時期とクオリティーシーズンは?
ドアーズは3月~11月が収穫時期です。冬は基本収穫されません。
これはアッサムやダージリンも同じです
そして紅茶には、その特徴が最も茶葉に出るクオリティーシーズンと呼ばれる時期があります。この時期の茶葉は良質で高値で取引されることもしばしば。
そんなドアーズのクオリティーシーズンは年に2回。春と秋に来ます。
まず春の3月~4月にファーストフラッシュと呼ばれる初摘みの茶葉が収穫されます。次に秋の9月~10月はセカンドフラッシュ。この秋の茶葉は特に人気なんです。
元々は控えめな香りのドアーズですが、秋になるとバラを思わせるフラワリーな香りがするようになります。
セカンドフラッシュの茶葉はバラの香りがすることから「ローズオータムナル」とも呼ばれているんですよ
ダージリンとアッサムについて詳しくはこちら↓
ドアーズのおすすめの飲み方は?
ドアーズはコクがあり水色も濃いことから、ミルクティーやチャイがおすすめ。インドでは紅茶は基本チャイで飲まれているので、国内消費の多いドアーズもミルクとの相性良し。
さらに元々の濃さに加えCTC製法で生産されていることもあり、色や味が濃く出やすいところもミルクティー向きなんです。
CTC製法は茶葉を小さな粒状にする製法で、より短時間で紅茶を抽出できるんです。ミルクティー向きの茶葉はCTC製法で作られていることも多いんですよ
チャイの入れ方
【用意するもの】
- 片手鍋
- 茶葉:人数分+1杯分(1杯はティースプーン約1杯分の5g)
- 水:必要量の4割(1杯300㎖なら120㎖)
- 牛乳:必要量の6割(1杯300㎖なら180㎖)
- お好みのスパイス:※少量(シナモン・ジンジャー・クローブ・カルダモンなど)
※原型スパイスかパウダースパイスかによって入れるタイミングが違うので注意!
スパイスを入れるかはお好みでOKですが、今回は入れるレシピをご紹介します
- 鍋に水を入れて沸騰させたら中火にして茶葉を入れる。
(原型スパイスの場合:沸騰したらスパイスを入れて、お湯に色と香りがつくまで煮出してから茶葉を入れる) - 大体1~2分ほど火にかけ、茶葉が開いて沈み十分抽出できたら牛乳を入れる
- 温度をならすために軽くかき混ぜ、強火で沸騰させたらすぐに火を止める
(パウダースパイスの場合:牛乳を入れて沸騰させてから、それぞれ一つまみずつ入れる) - ティーストレイナーや茶こしで漉しながらカップやポットに注いだら完成!
砂糖やハチミツを入れると甘さだけでなくコクも出るのでお好みで入れてみてください
またミルクティーやチャイもおすすめですが、クセがなく飲みやすい紅茶なのでストレートティーやアイスティーにも合います。
ほかにも、オレンジやリンゴなどを入れたフルーツティーのようなアレンジティーとも合わせやすいですね。
アイスティーにしても濁りにくいので色が澄んだ紅茶になりますね、アイスフルーツティーにしてもGood!
チャイについてはこちらの記事も参考にどうぞ↓
まとめ
- インド北東部の西ベンガル州ドアーズ地方で栽培されている紅茶。アッサム地方とダージリン地方の間にあり低地の丘陵地帯で栽培されている
- 国内消費がほとんどのため日本での認知度は低いがブレンドやフレーバーティーに使われている
- 味と香りは控えめだがコクがマイルドでクセがなく飲みやすい
- 収穫時期は3月~11月。クオリティーシーズンは3月~4月と9月~10月
- セカンドフラッシュはバラのような香りがし「ローズオータムナル」とも呼ばれている
- おすすめの飲み方はミルクティーだが、何にでも合わせやすい紅茶なのでさまざまな飲み方にも合わせやすい
マイルドなコクにあっさりとした口当たりのドアーズは、突出した特徴こそありませんが飲みやすく何にでも合わせやすい魅力があります。
日本であまり有名じゃないのが少しもったいないほどですね。
とはいえブレンドなどで知らず知らずのうちに飲んでるかもしれないドアーズは、言うなれば「縁の下の力持ち」的なポジションの紅茶なのかもしれませんね。
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