紅茶を飲む方のほとんどは味や香りを楽しむ嗜好品として飲まれていると思いますが、紅茶は昔、薬用として飲まれていたこともあり、体に良い効能があるんです!
その効能も一つではなく、さまざまな効能があります。そんな紅茶にはどんな効能があるのでしょうか?もしかしたら、皆さんの悩みにあった効能もあるかもしれませんよ!
また、紅茶にはさまざまな効能がある分、飲む量や体調によってはNGになることもあるので紅茶を飲む時の注意点などもあわせて解説します。
紅茶にはどんな効能がある?
紅茶の効能には主に以下のものがあります。
- 血糖値の上昇を抑える
- ダイエット効果
- 高血圧の予防
- リラックス効果
- アンチエイジング効果
- 風邪予防
- 虫歯予防
紅茶にはこんなにも効能があるんですね~昔は薬だったこともうなづけます
なぜ紅茶にはこんなにも効能があるのか?それでは一つずつ詳しく解説していきましょう。
紅茶の効能①血糖値の上昇を抑える
紅茶にはタンニン(カテキンを含んだポリフェノールの1種)が入っていて、酵素が糖質を分解・吸収する働きを抑える効果があるので、血糖値の上昇を抑えることができます。
そのため血糖値が気になる方は、食事の時や食後などに紅茶を飲むと血糖値の上昇を抑える助けになるのでおすすめです。
糖質の吸収を抑えてくれるのでデザートを食べる時に一緒に飲むのもおすすめですよ~
紅茶の効能②ダイエット効果
紅茶にはダイエットに効果的な効能がありますが、それは紅茶に含まれるカフェインとタンニンが関わっています。
まず、カフェインには脂肪を分解する消化酵素やホルモンの働きを促す効果があります。そのため体に蓄積した脂肪を燃焼を後押しすることができるでしょう。
そして、タンニンは先ほど解説した通り血糖値の上昇を抑えるため、体に脂肪が蓄積するのを防いでくれます。
つまり紅茶には、脂肪を燃焼させたり付きにくくさせたりする効能があるということです!
紅茶に砂糖を入れて飲むと、カフェインより先に砂糖が吸収されるのでせっかくのダイエット効果も下がってしまいます。なるべくストレートティーで飲む、または糖質ゼロの甘味料を使いましょう。
タンニン含有量が多い紅茶の種類はこちら↓
紅茶の効能③リラックス効果
紅茶は、飲むとホッと気持ちが安らぐ飲み物ですね。その気持ちが安らぐという効能、実は紅茶の成分テアニンが関わっているんです。
テアニンにはドーパミンやセロトニンといった、幸せホルモンの分泌を促す働きがあります。
- ドーパミン:人のやる気や感動などの幸福感と仕事や学校などの記憶力に影響を与えるホルモン
- セロトニン:自律神経のバランスを整えてストレスを和らげる物質
この幸せホルモンが分泌されると緊張状態が和らぎ、リラックスすることができるんです。
紅茶を飲むと気持ちが落ち着いてゆったりした気分になるのにも理由があったんですね~
テアニン含有量が多い紅茶の種類はこちら↓
紅茶の効能④高血圧の予防
高血圧には大きく分けて3種類の原因があります。
- 血管の収縮:体の機能をコントロールしている自律神経がストレスで乱れることにより、心拍数が上昇し血管が収縮され血圧が上がる
- 血液量の増加:体のナトリウム(塩分)濃度が濃くなると、体は水分量を増やして薄めようとするがナトリウムが腎臓に再吸収されると、ナトリウムが排出されない→塩分濃度が変わらない→水分量が増えるを繰り返してしまい結果、血液量が増えて血圧が上がる
- 動脈硬化:悪玉コレステロールが活性酸素と結びついて酸化したものが血管を傷つけると、修復過程で、血管にゴミが溜まって血管が細く硬くなることで血の流れが悪くなり血圧が上がる
高血圧はそれぞれの原因で対処法が違いますが、紅茶にはなんと!その3種類の原因にまとめて効く効能があるんです!
1.血管の収縮による血圧上昇
血管の収縮による血圧上昇は、先ほど解説したテアニンのリラックス効果に予防効果があるんです。
テアニンのリラックス効果にある自律神経の乱れを整えてストレスを和らげる効能。自律神経が整うと、心拍数も落ち着き血管の収縮が緩和されるので、血圧上昇を予防することができます。
また、紅茶の香りにも同じ効果があるとされているので、紅茶の香りを楽しみながら飲むとよりGOODですよ!
2.血液が増えたことによる血圧上昇
血液が増えたことによる血圧上昇は、紅茶の成分のカフェインとカリウムに効果があります。
ミネラルの一種。体の(※)浸透圧を調整や体の機能を正常に保つ働きがあり、調整の過程でナトリウム濃度も調整してくれる成分。
※浸透圧とは低い濃度の液体が高い濃度の液体へ移動する水圧のことです
まずカフェインとカリウム両方にある利尿作用で体の水分を尿として出して水分量を減らします。
ですが、水分量を減らすだけでは体のナトリウム濃度がそのままです。また体の水分が増えてしまいます。
そこで今度は、カリウムのナトリウム再吸収を抑える働きで濃度を下げます。そうすると体の水分が増えず血圧上昇を予防することができるでしょう。
あと、この効果は高血圧予防だけじゃなくむくみ改善にも効果がありますよ~
カリウム含有量が多い紅茶の種類はこちら↓
3.動脈硬化による血圧上昇
そして最後に動脈硬化による血圧上昇ですが、これはタンニンがもつ複数の効果が動脈硬化を予防してくれます。
まず、先ほどダイエット効果で解説した体に脂肪を蓄積するのを防ぐ効果。この効果で体にコレステロールが増えるのを防ぎます。
そしてタンニンを含めたポリフェノールがもつ抗酸化作用が、体の中の活性酸素の発生を抑えてコレステロールの酸化を防ぐことで動脈硬化を予防します。
活性酸素にはコレステロールの酸化以外にも、細胞の老化といった弊害もあります。抗酸化作用で活性酸素が減ると細胞の老化も抑えられるのでアンチエイジング効果も期待できます。
タンニン含むポリフェノール含有量が多い紅茶の種類↓
紅茶の効能⑤風邪・インフルエンザ予防
消毒・殺菌関連の商品にカテキンを使ったものを見かけたことがありますか?紅茶に含まれるカテキンには抗菌・殺菌効果があるので、そういった商品にも使用されています。
紅茶に入っているタンニンもカテキンを含んだ成分なので、抗菌・殺菌効果があります。そのため口や喉についた菌を殺菌してくれるので、紅茶を飲むと風邪予防につながるんです。
風邪で喉が痛いときにも紅茶を飲むと、タンニンの殺菌効果で痛みが和らぐこともあるのでおすすめします!
また、紅茶にはタンニンと同じポリフェノールの1種テアフラビンも含まれていて、テアフラビンはインフルエンザを予防する効果があります。
まずウイルスは、のどや鼻に張り付いてそこから細胞に侵入することで感染します。ですが、テアフラビンの持つウイルスに付着する働きが、のどや鼻に張り付くのを防いでくれるので感染予防になるんです。
風邪やインフルエンザが流行る時期は、紅茶を積極的に飲んでいきたいですね!
風邪やインフルエンザ予防で紅茶を飲むときに、砂糖やハチミツは入れても大丈夫ですがミルクを入れるのはNGです。ミルクを入れるとたんぱく質がテアフラビンの働きを邪魔して予防効果が薄れてしまうからです。
ちなみに紅茶の風邪・インフルエンザ予防は飲むだけでなくうがいでも効果があります。
- 茶葉orティーバック(出がらしもOK)を熱湯で抽出する
- 紅茶を冷ますか、2倍の水で薄める
- 先に水で口をゆすぎ、2~3回紅茶でうがいする
注:うがい用の紅茶は衛生上、なるべくうがいのたびに作り保存はせずその日のうちに使い切りましょう
テアフラビン含有量が多い紅茶の種類↓
紅茶の効能⑥虫歯予防
歯磨き粉の主成分フッ素。このフッ素が紅茶に入っているのをご存じでしょうか?フッ素は、歯磨き粉に入っていることからも虫歯予防に効果があります。
- 虫歯菌の働きの抑制
- エナメル質の修復
- エナメル質の強化
この3つの働きが合わさることで、歯を強くし虫歯菌を弱めて虫歯を予防します。
甘~いお菓子やジュースの後には紅茶を飲んで予防しておきたいですね
虫歯予防の場合、砂糖を入れて飲むとせっかくの虫歯予防の効果が下がってしまいます。なので虫歯予防で紅茶を飲むときは、なるべくストレートティーで飲みましょう。
紅茶の効能は飲む以外でも得られる!?
紅茶の効能は飲むことで効果が出ますが、実は紅茶には飲む以外でも得られる効能があるんです!
疲れ目を和らげる
紅茶に含まれているビタミンやタンニンには目の疲れをとる効能があります。飲むだけでも効きますがそれだと少し効果が弱いです。
そこで紅茶の出がらしのティーバックを冷やしてまぶたに当てると、まぶたから紅茶の成分が浸透して目の疲れが和らぐでしょう。
水虫予防
紅茶のタンニンの殺菌作用は、水虫の原因になっている白癬菌にも効果があります。水虫予防に紅茶をどう使うのか?それは紅茶で足湯をすることです!
- 足がつかる程度のお湯(約300ml)で紅茶を煮出す。出がらし、期限切れでもOK
- 洗面器に入れて40度前後の温度になるまで冷ます
- 10分~30分足湯をする
- 足湯後はしっかり洗い流す
紅茶の足湯は水虫予防だけでなく、足の消臭にも効果がありますよ~
紅茶を飲むときの注意点
どんなに良い薬も量や体質によっては毒になるように、紅茶も飲む量やその時の体調によっては悪い効果が出てしまうこともあります。
薬用だったということは、それだけ体に影響を与える飲み物ということですから、注意する点もいくつかあるんです
カフェインのとりすぎに注意!
カフェインは脂肪燃焼や眠気覚ましなどプラスになる効果もありますが、多くとってしまうと
- 頭痛
- 腹痛
- 下痢・便秘
- 不眠
- めまい
といった症状が出てしまいます。
特に妊婦さんはカフェインを体から排出する機能が下がっているので、カフェインが長く体内に残っていると赤ちゃんにも悪影響が出る可能性があります。
そのため、健康な方なら1日4杯程度に。妊婦さんはカフェインを控える、もしくはカフェインレスの紅茶を飲みましょう。
今は紅茶のカフェインレスもいろいろありますよ~
タンニンは貧血時注意!?
タンニンには体に良い効能がありますが、鉄分不足の方や貧血気味の方は気をつけて飲む必要があります。
なぜなら、タンニンには鉄イオンと結びついて鉄分の吸収を邪魔してしまう性質があるからです。
そのため貧血気味だったり鉄剤を服用していたりする場合は、食事や鉄剤の服用前後1時間は紅茶を控えましょう。
とはいえ1日に紅茶1~2杯程度で健康な方なら、そんなに神経質にならなくても大丈夫ですよ
タンニン含有量が少ない紅茶の種類はこちら↓
まとめ
- タンニンには血糖値の上昇を抑える効能がある
- カフェインとタンニンには脂肪の燃焼と吸収抑える効能がある
- テアニンには幸せホルモンを分泌させてリラックスさせる効能がある
- 紅茶には高血圧の原因3つそれぞれに予防効果がある
- カテキンの抗菌・殺菌作用で風邪の予防に、テアフラビンの働きでインフルエンザ予防に効能がある
- フッ素の働きで虫歯を予防し歯を強くする効果がある
- 紅茶には飲む以外にも疲れ目や水虫予防に効く効能がある
- 紅茶を飲むときはカフェインのとりすぎやタンニンの摂取に注意する
紅茶にはさまざまな成分が含まれていて、その成分一つ一つにさまざまな効能があるんですね。昔の人が薬として飲んでいたのもうなずけます。
ですが、何事もほどほどがいいように、いくら体に良い効能があっても飲みすぎや体調によって体に害が出てしまうこともあります。
用法容量を守って、おいしく楽しく健康に紅茶を飲みましょう!
紅茶の成分について解説した記事はこちら↓
コメント